【ケアマネの自転車奔走記】連載・第449回。
新型コロナウイルス感染症の
拡大を防ぎましょう!
新型コロナウイルス感染症の急激な拡大を受け、
各地で緊急事態宣言もしくはそれに準じた対応
が取られています。徒に危機を煽るわけではあ
りませんが、医療提供体制がかなりひっ迫して
きていることが肌感覚で私にもわかる状況です。
今一度基本に立ち返って、私達一人一人が感染
防止を徹底しましょう!
基本的な感染症対策
〇お住いの地域の情報に注意して、
実情に合わせた対応(外出や県
をまたぐ往来など)を取ように
しましょう。
〇3つの「密」
・多くの人の「密」集する場所
・換気の悪い「密」閉空間
・近距離での「密」接した会話
を避けましょう。
〇概ね2mのソーシャルディスタ
ンス(人との適切な距離)を保
ちましょう。
〇こまめな手洗いと手指消毒をし
ましょう。
〇マスクの着用を徹底しましょう。
〇不特定多数の方が利用するドア
ノブやボタンなどに直接触れる
ことを避けましょう。また、触
った手で直接目や鼻にふれない
ようにしましょう。
感染リスクが高まる五つの場面
【場面1】 飲酒を伴う懇親会等
【場面2】大人数や長時間におよ
ぶ飲食
【場面3】マスクなしでの会話
【場面4】狭い空間での共同生活
【場面5】居場所の切り替わり
十分な室内の換気やマスクの着用などの対策を
行い、5つの場面を回避するようにしましょう。
そして、一人一人が最大限気を付けて、感染の
拡大を防ぎましょう!
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たきび版:介語苑・69-5。
【語句】
栄養
【意味】
ヒトや動物など、生物が自分以外の外界から食
物を得て、生長し、活力を保ち続ける身体の営
みのこと。
【解説】
今週は三大栄養素のうちで、タンパク質と脂質
についてお話します。まずタンパク質から。タ
ンパク質は人体において筋肉や内臓、髪、爪な
どを構成する成分として知られていますが、ホ
ルモンや酵素、免疫細胞を作る役割も持ってい
ます。このタンパク質、実は「アミノ酸」とい
う化合物の集合体でして、栄養素として体内に
摂取された後はアミノ酸に分解されて様々な働
きをします。上述の人体のパーツの構成成分で
あったり、細胞レベルでは遺伝子のDNAもア
ミノ酸からできているんですね。ですので、タ
ンパク質のお話は実は「アミノ酸のお話」にな
ってしまいます。アミノ酸は大きく分けて2つ
の種類があり、体内で合成できるアミノ酸と合
成出来ないアミノ酸があります。特に後者の体
内で合成できない9種類のアミノ酸は食物から
摂取するしか方法がないもので、「必須アミノ
酸」と呼ばれています。これらのアミノ酸(タ
ンパク質)が不足すると、筋力が低下する、免
疫機能が低下して抵抗力が弱くなり、さまざま
な病気にかかりやすくなる、ストレスや疲労が
溜まりやすくなるなどの状態となります。
ですので、良質なタンパク質(食品中の必須ア
ミノ酸の配合バランスが優れているもの。例え
ば卵や鶏肉、鮭、牛乳などの食品。)をしっか
り摂ることが重要ですね。続いては脂質につい
て。脂質というと“脂肪”としてダイエットの大
敵!みたいにとかく敵視されがちですが、実は
栄養素としては万能選手で、エネルギー源とし
て使われたり、細胞膜や臓器、そして神経など
の構成成分となったり、はたまたビタミンの運
搬を助けたりするなど重要な役割を人体で担っ
ています。因みに、血液中に含まれる脂質には
脂肪酸、中性脂肪、コレステロール、リン脂質
の4つの種類があります。脂肪酸は構造の違い
により「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分
けられ、食品にはこれらの脂肪酸が混合して含
まれています(概ね動物性脂肪には飽和脂肪酸
が多く、植物油や魚類の油には不飽和脂肪酸が
多く含まれています)。
この不飽和脂肪酸のうちリノール酸とリノレン
酸は、人体の正常な発育や身体の機能の維持に
不可欠な要素ですが体内で合成できないため必
須アミノ酸のように食事から摂取するしか方法
がなく、同じ意味で「必須脂肪酸」と呼ばれて
います。中性脂肪はエネルギー源である脂肪酸
の貯蔵形態で、食事から摂取する脂質の大部分
を占めています。エネルギーとして消費されず
余った脂質を始め糖質、タンパク質は中性脂肪
となって脂肪組織や肝臓に貯蔵され、必要に応
じて分解されてエネルギーとして使われます。
つまり、ダイエットの大敵は「中性脂肪」とい
う事になりますね。続いてココレステロールは
ホルモンや胆汁酸の材料になるほか、脳や神経
などの細胞膜の構成成分となります。体内のコ
レステロールのうち食べ物からとり入れられた
ものは約3割にすぎず、残りの7割は体内で糖
質や脂肪酸を材料に主として肝臓、皮膚、腸粘
膜などで合成されたものです。よく「善玉コレ
ステロール」や「悪玉コレステロール」という
言葉を聞いたことがあると思います。また、コ
レステロールが増えると動脈硬化の原因になる
ので良くないという知識も殆どの人がお持ちだ
と思います。善玉コレステロールは『HDLコ
レステロール』、悪玉コレステロールは『LD
Lコレステロール』と呼称しますが、まったく
の別物として存在するのではなく、実はコレス
テロールがその役割で善玉になったり悪玉にな
ったりするという事なんです。
そもそも、HDLは余分なコレステロールを末
梢細胞から回収して肝臓に戻す役割をして、L
DLは肝臓内のコレステロールを体中の末梢細
胞に運ぶ役割をしています。それぞれが人体内
で重要な役割を担っていますが、そのバランス
が崩れると『脂質異常症』となり、特にLDL
コレステロールが高い状態を『高コレステロー
ル血症』と呼び、末梢にどんどんコレステロー
ルが送られ蓄積することで動脈硬化などの重要
な血管障害を引き起こす原因になります。最後
にリン脂質ですが、リン脂質は細胞膜や脳の組
織の構成成分となる働きを人体でしています。
さて、駆け足ではありましたがこれで3大栄養
素は押さえました。でも、まだ重要な栄養素は
残っています。次回はその重要な栄養素、ビタ
ミンやミネラルについてお話をします。
お楽しみにお待ちください。
SEE YOU NEXT WEEK