【ケアマネの自転車奔走記】連載・第442回。
新型コロナウイルス感染症に
注意して生活しましょう!
第3波による新型コロナウイルスの感染拡大が
進行しています。前回流行時とは違い、今回は
基本的に社会経済活動を可能な限り守りながら、
感染の拡大を防ぐという二律背反に近いミッシ
ョンが社会全体に、そして私達一人一人に課せ
られている状況です。
〇お住いの地域の情報(行政が発
出しています)に注意して、実
情に合わせた対応を取ように心
がけましょう。
〇3つの「密」を避けましょう。
・人ごみなど、多くの人の「密」集
する場所を避ける。
・換気の悪い「密」閉空間を避ける。
・近距離での「密」接した会話を避ける。
〇ソーシャルディスタンス(人との
距離を取る事)の徹底、外出の際
は人と2メートルの距離を保ちまし
ょう。
〇こまめな手洗い、会話時、咳エチ
ケットとしてのマスクの着用、う
がいの励行。特に手洗いとマスク
は必ず行うようにしてください。
みんなで自分のすべきことを最大限に行い、自
分たちが感染しないように、誰かに感染させて
しまわないように、これ以上の感染再拡大を可
能な限り防ぎましょう!
では【自転車奔走記】始まります。
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たきび版:介語苑・68。
【語句】
冬場に多い事故や病気
【意味】
特に高齢者において、冬季に多く発生すること
が知られている事故や病気。適切な予防策を行
っていると防げることも多い。
【解説】
12月最初の日曜日、皆様いかがお過ごしでしょ
うか?今月に入って寒さも急に冬らしく、朝晩
は特に冷えるようになりましたね。さて恒例と
いう訳ではありませんが、毎年この時期になる
と注意喚起の意味も含めて、冬場に起こりやす
い事故や病気についてお話をしてきています。
いよいよ冬本番!を前におさらいの意味も含め
て、冬場になると起こりやすい事故や病気につ
いての知識と対策を皆様と共有して、冬を楽し
んで過ごせるようにしましょう。
まずは、冬場にかかりやすい病気や怪我につい
てのお話です。
①インフルエンザ感染症
今年は新型コロナウイルス感染症の
陰に隠れてしまいがちですが、冬季
はインフルエンザが毎年流行する時
期です。インフルエンザに罹ると、
高熱やのどの痛み、鼻水、頭痛、関
節痛などの全身症状が現れます。通
常は約1~2週間で自然治癒しますが、
高齢者の方は肺炎などの重症化に注
意が必要です。予防方法は、予防接
種を筆頭に、日ごろからのしっかり
とした栄養摂取、十分な睡眠と休養
と言った体調管理が重要です。あと、
言わずもがなですが、手洗い、うが
い、マスク着用など新型コロナウイ
ルス感染症の流行で私達の生活習慣
のデフォルトになった行為もインフ
ルエンザの予防や感染拡大防止には
非常に有効です。
②ノロウイルス感染症
ノロウイルスも冬季に流行すること
が多い病気です。このウイルスに感
染すると感染性胃腸炎を起こし、下
痢や嘔吐などの症状が現れます。感
染経路は、カキやアサリなどの食品
から感染する場合や、ノロウイルス
感染した人の糞便や嘔吐物などから
感染するのが多いことが知られてい
ます。予防法は、食事前や調理前、
トイレ後のしっかりとした手洗いと
消毒を筆頭に、適切な調理(特に貝
類)、糞便や吐しゃ物に直接手を触
れない事、速やかに適切な処理(ビ
ニル袋などで密封。ハイターなどの
塩素系漂白剤で消毒)をする事が知
られています。あと、ノロウイルス
はアルコールへの耐性が強いウイル
スですので、一度噴霧した程度では
除菌が不十分とされています。糞便
や吐しゃ物を扱う時は素手ではなく
必ずグローブなどを着用するように
してください。
③脱水症
こちらも毎年のようにお話しをして
います。脱水症は夏冬関係なく、水
分摂取量不足がもたらす病気です。
冬場はどうしても寒いのでトイレが
近くなったり、あまり汗をかかない
ので水分の摂取が少なくなりがちで
す。冬場であろうと、炎天下であろ
うと、こまめな水分補給は非常に大
切です。
④冬季うつ
少し耳慣れない病気かもしれません
が、冬季うつ病、正式には『季節性
感情障害』という病気があります。
この病気の特徴は、秋から冬にかけ
てうつ症状が現れ、春先の3月ごろ
になるとよくなるというパターンを
繰り返す「周期性」です。具体的な
症状としては、一般的なうつ症状と
はやや異なり①過眠②過食③体重増
加といっ非定型的症状が多く、精神
面でも「意欲低下や思考が進まない」
「倦怠感がある」などの抑制症状が
中心で、憂うつ感などの抑うつ症状
は目立ちません。男性より女性の方
が発症率が高いのも特徴の一つです。
⑤その他
他にも、冬場に多く発症すると言わ
れている病気に、心筋梗塞や関節炎
などがあります。どちらも寒さや寒
暖差が影響を及ぼすことが多い病気
ですので、寒暖差を無くす工夫や寒
い日に散歩などの運動をする際には
入念な準備運動などを心がけて下さ
いませ。
続いて、冬場に多い事故についてです。
①ヒートショック
寒い場所から暖かい場所へ移動するこ
とで急激に血圧の変動が起こり、心臓
に負担がかかることをヒートショック
と言い、脳梗塞や心筋梗塞などの重大
な症状を起こしやすくなるものです。
特に冬場は居室、脱衣場、浴室、トイ
レなどの寒暖差が大きくなりがちです
し、寒い外から帰宅してすぐに入浴を
するなど、急激な温度変化が心臓に強
い負担をかけることになります。特に
高齢者はこのヒートショックが原因で
の意識の消失、脳血管疾患、浴槽での
溺水(おぼれる)などの事故が毎年の
ように発生しますので、十分な注意が
必要です。
②転倒
凍結した路面や寒さで関節の動きが悪
くなったり、こわばったりすることで
冬季は転倒事故発生のリスクが高まり
ます。また、寒いとどうしても身が縮
こまってしまい、とっさの反応が遅れ
てしまうことで、軽い転倒が骨折など
重症を招きやすくなります。冬季の外
出時には、いつも以上に足元に気を付
けて、慎重に動くよう心掛けて下さい。
③誤嚥や窒息
冬場に特に多いという訳ではありませ
んが、お正月の餅による窒息事故は毎
年のように発生し、お亡くなりになる
方も少なくありません。お雑煮など餅
食は正月の縁起物ですし、日本の文化
風土に根付いたものなので、取り止め
ることは難しいかと思います。ですが、
お餅を小さくカットしたり、焼餅にし
たり、白玉餅を餅の代用にしたりと、
色々工夫することで誤嚥や窒息の事故
は十分防ぐことが出来ます。特にご高
齢の方、ご家族にご高齢の方がいらっ
しゃる家庭ではご検討されてみてはい
かがでしょうか?
以上、ざっとではありますが、冬季に起こりや
すい病気や事故についてお話してきました。新
型コロナの感染拡大やそれに伴うコロナ禍で大
変な一年でしたが、もう師走。クリスマスに年
越、そして新年を元気に、笑って迎えることが
出来るよう、新型コロナの感染防止に勤めなが
ら、他の病気や事故、怪我にも十分注意して下
さいませ!
では、またお会いしましょう。
SEE YOU NEXT WEEK