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【自転車奔走記】介語苑・其の16。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第349回。

2月らしい寒い日が続きますね。
ところで、この「介語苑」という連載、
実はコンセプトに元ネタがあるのはご
存知でしょうか?(もしかしたら薄々
気付いている方はいるかもしれません
が。)その元ネタとは、この時期毎週
土曜の夜にNHKのBSで放送され
ている
「球辞苑」という番組。放送
2~3年
になると思いますが、プ
ロ野球のシー
ズンオフにのみ放送され
る番組で、野
球に関する様々なキーワ
ードを色々な
角度から解説・検証して
いく番組です。

そのキーワードが少々捻ってあるとい
うかマニア向けという
かなかなか凝っ
た語選になっていて、
例えば「グリッ
プ」というキーワード
の回はバッター
がバットを持つ時の握
り方について、
あるいは「三盗」と呼
ばれる盗塁の中
で2塁から3塁を狙う盗
塁の回はランナ
ーやバッテリーの立
場や視点からとバ
ラエティーに富んだ
テーマを選択し、
球界の現役選手や球
界レジェンドクラ
スの元選手に取材し
て様々な角度から
掘り下げ、検証しな
がら最終的な番組
独自の結論を導き出
す番組です。

多面的な視点から一つの事象を掘り下
げていく過程が面白くて、
毎週楽しん
で見ています。この介語苑も
この番組
向こうを張っている以上頑張ら
ないと
いけませんねぇ

では、自転車奔走記始まります。

+++++++++++++++

たきび版:介語苑 その16。

【語句】
高齢者虐待

【意味】
高齢者が他者(養護者・家族や介護・看
護職員等)からの不適切な扱いにより、
その権利利益を侵害される状態や生命、
健康、生活が損なわれるような状態に置
かれること。

【解説】
今回は少し重い語句を扱います。ここ連日、
千葉県で起きた児童虐待関連のニュースが
報じられていますが、私たち高齢者福祉の
現場でも高齢者への虐待の問題は重要なテ
ーマとなっています。厚労省発表の資料か
らも相談・通報件数及び虐待と判断された
件数ともに上昇を続けている状況です。今
週の介語苑では、啓発の意味を込めてこの
高齢者虐待についてお話します。高齢者虐
待の怖いところは、【誰でも、どんな人で
も虐待者になりうる】という点だと私なり
にではありますが考えています。高齢者虐
待の色々な資料を読んでいると、先の児童
虐待のような非常に悪質なケースよりも、
ごく普通の介護者家族であったり介護をす
る配偶者が、いつの間にか虐待者となって
いくケースも意外に多いことにびっくりさ
れると思います。この現象の原因として一
般に言われていることは、「社会からの孤
立」や「要介護状態になる」など様々です
が、一番の要因は「社会からの孤立」だと
私は考えます。「孤立」というと近所付き
合いが少ないとか閉鎖的な家族などといっ
た事を想像されると思いますが、近所付き
合いの盛んな社交的な家庭内で高齢者虐待
が発生した例はいくらでもあります。

ここで言う孤立というのは、情報や介護力
(マンパワー)の流通が外部と遮断されて
いたり、あるいは流れが悪い状態の事を指
します。在宅で介護をする場合、介護保険
のサービスを最大限活用したとしても、シ
ョートステイ等のサービスを利用しない限
り、一日の大半の時間はサービスを利用し
ない家族のみの時間になり、その間の介護
は家族や配偶者が対応することになります。
日常の食事の準備や掃除、急な排せつ介助、
もし要介護者の方が認知症を発症されてい
たら徘徊や周辺症状の対応など、なかなか
気を抜く時がない状況になります。一方、
要介護の方も、家族に迷惑をかけていると
自責の念に駆られたり、思うように動かな
いことへの苛立ちや悲しみなど複雑な負の
心理状態に容易に陥ります。つまり、容易
にストレスが溜まりやすい状況であり、そ
のストレスが虐待行為発生の一つの大きな
トリガー(引き金)になります。そのスト
レスですが、日本人の特有の気質なのか、
あるいは普遍的な人間心理の特性なのか、
人はストレスをストレスとして表現せず、
別手段で表現する傾向が非常に目立ちます。

「ストレスを別の手段で表現する」とは、
例えば“会社でのストレスで爆食い”と

“人間関係のストレスが溜まってきたの

爆買い”など、普段よく耳にする行為の

なんですが、この行為の危ういところは、
ストレスをストレスと表現していない点、
つまりストレス自体は何も解決していない
ことなんですね。極言すれば、原因に手を
付けずに表面を取り繕って一時的に解消し
た気になっているだけなんです。結局のと
ころ、ストレスが解消されないままストレ
スを感じる行為を続けることによってさら
にストレスは加算されていきます。そして、
ふとしたこと、本当に些細なきっかけで虐
待が発生することになります。以前に読ん
だ事例を紹介しますと、デイサービスやヘ
ルパーさん、時にはショートステイなど介
護保険のサービスを利用しながら在宅で生
活していた高齢のご夫婦さんですが、ある
日を境に配偶者の虐待が表面化しました。
その原因は、介護者が体調が優れなかった
ある夜中の事、排せつの介助を訴えた配偶
者に対して、いつもは応じるのにその時は
疲れも相まって聞こえないふりをしてその
まま放置してしまったことが発端でした。
朝になって衣類や寝具までが排泄物で汚染
され大変なことになり、加えて介護を要請
した配偶者から「あなたが私の訴えを無視
するからこうなった」と暗になじられてし
まい、今までの介護ストレスもありつい強
い口調で怒鳴ってしまったそうです。その
ことに驚いた配偶者はそれ以来何か介護を
頼む時には遠慮がちに言うようになります。
ですが、その遠慮がちな口調が逆に介護者
の配偶者にとっては、怒鳴ってしまったこ
とへの後悔の念に塩水を塗り付けるように
感じられてしまい、イラつきや怒気を含ん
だ受け答えを誘発、すると要介護の配偶者
はますます萎縮してしまい、今度は介護の
訴えをしなくなるようになってしまい、結
果としてさらに介護者の手間が増えること
になり、ついに怒りの感情となって虐待と
いう形で発露してしまいました。加えて、
この間の出来事は、夫婦間の心情的な問題
であったこともあり、ケアマネを始め介護
者やご夫婦の家族の知りえない“閉ざされた
関係”のなかで進行していたこともあり、ご
夫婦以外の人が知りうることができなかっ
たことも原因の一つです。つまり、介護の
ストレスというのは、夫婦や家族というあ
る意味特殊な人間関係の中では、増幅する
ことで人間関係を閉ざされたものへと変質
させていき、結果として虐待などを生んで
しまう温床になりうるという事なんですね。

このように、「孤立」というのは、ストレ
スなど心理的要因によっても引き起こされ
る現象であり、虐待に限らず時には「介護
うつ」のような精神的問題によって介護者
を苦しめることにもなり得ます。ですが、
トレスをなくすことは人間である以上事
上不可能。ではどうすることが良いのか?
このことについては次回お話します。
では、またお会いしましょう。
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