【ケアマネの自転車奔走記】連載・第306回。
GWも近づいてきました。皆様いかがお過ごし
でしょうか?朝晩は少々ひんやりしていますが、
日中は初夏を思わせるような、日差しを浴びて
汗ばむくらいの陽気が続いています。もう少し
朝晩と日中の寒暖差が大きい日が続きます。こ
こ最近よく聞かれるようになった『春バテ』と
いうやつですね。せっかくのGW、元気に十分
楽しめるよう体調管理には十分ご注意下さいね。
では、自転車奔走記、始まります!
+++++++++++++++++++++++++++++++++++
今週はACの性格的傾向について、もう少し具
体的にお話しします。前回のお話しで、AC達
は様々な問題を抱える親たちがいる家庭(機能
不全家族)の中で、子供らしい我儘や要求の表
出を抑圧されて、常に親たちの顔色を伺いなが
ら暮らしてきた結果、自分が望むようにではな
く、周囲の状況に反応して行動したり、人の顔
色を伺い忖度しながら行動する自分を作り上げ
てしまうというお話しをしました。今週はもう
少し具体的に、AC達の性格傾向というか像に
ついてお話しします。
ACというのはあくまで個人性格的傾向に近い
概念ですので、これからお話しするACのタイ
プも、ドメスティックな像ではなく、性格的な
タイプというかカラー(色)に近い、性格傾向
に見られる要素的なものであるという前提で、
AC達は一般的に以下のようなタイプ(カラー)
を持つと言われています。
◎タイプ1:ヒーロー(スーパーチャイルド)
「優秀ないい子」「しっかりした子供」で
いること、或いはあろうとすることで、
家族の中での自分の存在価値を感じ、
何とか自分を保つタイプ。
◎タイプ2:スケープゴート(問題児)
「いつもトラブルを起こす子」。攻撃的に
振る舞ったり、色々な問題行動をとる事で
家族の注意を引くことで、家族の中での
自分の居場所を確保しようとするタイプ。
◎タイプ3:ロストチャイルド(忘れられた子供)
褒められもせず、怒られもしない
「目立たない子供」。機能不全家族の中で
目立たないように存在することで自分を
守ろうとするタイプ。特別な自己主張もなく
聞き分け良く親からすれば手のかからない子。
◎タイプ4:クラウン、マスコット(道化師)
おどけたり、冗談を言ったりして場を
和ませ、家族の問題が深刻化しないように
常に周りに気を配って生きるタイプ。
◎タイプ5:ケアテイカー(お世話焼き)
問題を抱え、家族の中で親としての役割を
果たせない不安定な親や、そのために色々な
問題が生じるきょうだいの面倒を見たり、
トラブルの後始末をしたり母親のかわりの
ように存在するタイプ。
主なACのタイプを5つ挙げてみましたが、どれ
にも共通するのが、場の中で何かの役割を演じる
ことによって自己承認欲求を満たそうという傾向
です。言い換えればそれだけ自己肯定感が低いと
も言えますが、その低い自己肯定感からくる生き
辛さや生きにくさが依存という嗜癖に容易に結び
ついてしまうことになるんですね。ただ、注意し
て頂きたいのは、ACというのはあくまで概念で
あって、診断的なものではないという事で(これ
らの性格傾向がある=ACだ!)と単純に等式で
結びつけることができないという事です。ACと
いうためには、成育の背景もよりも自分自身の知
覚、自分がACの傾向を持っているとその人が自
己認識をすることでしか成立し得ない訳ですね。
つまり、自分以外の他者を「あなたはACです。」
と指摘することよりも、その人が「自分はACで
ある。」という認識を持つことが必要なんですね。
というところで今週はここまでとします。
次回はACの回復についてお話しします。
それでは、またお会いしましょう!
SEE YOU NEXT WEEK