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【自転車奔走記】依存症とは#13。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第245回。

不安定な天気が続いています。皆さまいかがお
過ごしでしょうか?
雨が降ったり、低気圧や前
線が近づくと、初秋とは思えないほどムシムシ
した湿度の高い日になります。油断大敵!熱中
症にはまだまだ十分な注意が必要です。
暑さ寒
さも彼岸まで、来週の後半には秋らしい日より
が続くよう期待して
自転車奔走記、始まり!
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前回、アルコール依存症の心理特性「否認」に
ついてお話ししました。アルコールに依存して
いる、酒を目の前にするとどんな状況下でも飲
んでしまう、といった自分自身を『認めない・
認めたくない』という心理作用の事でした。
そしてその否認と深く結び付いているもう一つ
の心理特性に『自己中心性』があります。一般
的な否認という心理的作用は、不快な感情、気
持ち、体験などを得たとき、それらの心理的効
果(ダメージ)を弱めたり、避けることによっ
て、無意識的に安定した心理状態を保とうとす
る心理学的防衛機能の一つなんですが、アルコ
ールに限らず依存症患者の場合はこの否認が病
的に作用している状態、言い換えればアルコー
ルという自分の問題に対して、常に目を逸らそ
うと必死になる、常に自分自身に嘘をついてい
る状態とも言えます。これらの病的な否認とい
う心理的な動きは、自分自身をむやみに正当化
し、やがて非常に自己中心的な思考心理に至る
ことが多いとされています。例を挙げてこの心
理的な動きをお話ししますと、アルコール依存
症患者の場合、目の前にお酒があればどんな状
況下でも飲んでしまうわけなんですが、「自分
はいつでもお酒は止められるからアル中でない」
と否認を続けています。ですが、お酒は止まな
いし止められない。そのうちお酒が原因で色々
なトラブルが起ってくる。トラブルが起こらな
くても、いくら心で否認をしても、実際はお酒
に負け続けている自分がだんだん情けなくなる。
否認という心理的防御をし続けても、現実の自
分自身の姿との乖離に心が辛くなってくる。

こうなってくると、否認がやがて自己正当化作
用の面を強く持ち始めます。一例として次のよ
うな感じです。【自分は酒をいつでも止められ
る人間だし、アル中ではない→でも毎日飲んで
いる→昨日は会社で嫌なことがあったから憂さ
晴らしに飲んだ。今日は家で嬉しいことがあっ
たから祝い酒だ→このように自分は理由がある
から飲んでいるだけで、断じてアル中ではない】
という具合です。でもこれって、飲みすぎやア
ルコール依存症を心配してくれている家族や周
りの人からするとずいぶん自分勝手な理屈です
よね。つまり、酒に負けている自分を認めたく
ないけど、飲まずにはいられない自分がお酒を
飲むために、自分の飲酒は問題のない飲酒だと
自分自身に言い聞かせ、周囲にアピールするた
めに色々な理由や理屈をつけて自分を正当化し
ているわけです。この状態になると、その人に
とっては世界には『自分とお酒』しかいないと
言ってもよいくらいの状態になっています。
その結果、家族や周囲がいくら注意しても、心
配しても、本人は依存症であることを否認し続
け、そして自分の飲酒に理屈を付けて正当化す
る。最大の関心ごとは「酒を飲むこと」一点に
なっているがゆえに、本当はもっと大切なはず
の家族や友人、社会よりも酒を飲むことを優先
します。結果、どんな問題飲酒や飲酒にまつわ
るトラブルも自分に都合のよいように解釈する
ようになる、酒を飲むため、酒を飲む自分を守
るために家族や友人など他人を慮らないように
なるなど、非常に自己中心的な考えや態度を呈
するようになってしまいます。

その思考はやがて他罰的、『酒を飲むのは、俺
を大事にしない妻が悪いからだ』『社会が俺の
事を評価しないから酒を飲むんだ』など、周囲
を攻撃することで自分の飲酒を正当化しようと
する心理に至ります。この他罰的思考がひどく
なると、酒に溺れ続ける自分の事は棚に上げて、
家族や他人の些細な欠点に目を付けてそれを攻
撃するようになります。よく耳にするのが
『(妻の)掃除の仕方が悪い。料理がまずい』
『(夫の)稼ぎが悪い。出世しない』、
『(子供の)成績が悪い』など家族に対する
攻撃です。このようなことが続くと、次第にそ
の人の周囲から人が居なくなってしまい、孤独
感、孤立感、疎外感を強く感じるようになり、
その感情が更に攻撃性に拍車をかけるという悪
循環を繰り返しながらどんどん状態が悪化して
いくことになります。このように、アルコール
依存症では否認という心理から出発して、自己
正当化、自己中心的思考、そして攻撃性といっ
た心理的な特性を持つようになります。(加え
てアルコールという化学物質が脳器質そのもの
にも悪影響を与えますので、易怒性や暴力的に
なるなどの性格変容も起こります。)他にも、
アルコール依存症患者は人や場を自分がコント
ロールしようとする、他人を支配したい、自分
が物事の主導権を握りたいという欲求が非常に
強くなります。「勝ち負け思考」と言って、自
分が“勝つ”ことに拘り、家族や医療関係者から
説得されても“言い負かされた”と感じ、かえっ
て言う事を聞かなくなる心理も見られます。

このように様々なアルコール依存症患者の心理
の働きを見てきました。特に『否認』という心
理については、今後お話ししていく依存症の回
復(治療)に大きく関わってくるものになりま
すので、覚えておいて下さいね。というところ
で今週はここまで。
来週はアルコール依存症に伴って出現する身体
や社会での諸問題についてお話しをします。
では、皆さまお元気にお過ごしください。
SEE YOU NEXT WEEK 

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