ケアステーションたきびは三重県下でホームヘルパー・デイサービス・ショートステイの在宅介護事業を展開しております。
ケアステーション たきび home サイトマップ
デイサービス 訪問介護サービス ケアステーション たきび
ケアステーションたきび サービス案内 ケアステーションたきび アクセス情報 ケアステーションたきび お問合せ
たきびブログ 
 
お知らせ
トップページ > お知らせ > 【自転車奔走記】依存症とは#11。

【自転車奔走記】依存症とは#11。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第242回。

オリンピックに興奮しすぎて2週連続の脱線で
したが、今週からアルコール依存
症のお話しに
戻ります。前回は離脱や連続飲酒といったアル
コール依存症患者に特有の身体症状についてお
話しをしました。今週はアルコール依存症患者
に特有の心理的特性についてお話しをします。

最初にお話ししておかなければいけないのは、
アルコール依存症に特有の心理的特性はほぼ全
ての依存症に共通するものであるという事です。
現在の一般的な考え方としては、○○依存症とい
う病気がそれぞれ独立して存在するのではなく、
依存症という一つの病気が大元として存在し、
その依存対象物質や行為に応じて様々な依存症
状が出現するとされています。ですので、アル
コール依存症にだけ存在
する心理特性というは
殆どないと考えていただいてOKです。その心
理的特性ですが、最初に挙げられるのが『否認』
という心理です。依存症における否認は一般的
に『心理学的防衛機能』と呼ばれています。
心理学では、人は不快な感情、気持ち、体験等
を得たとき、それら心理的効果(ダメージ)を
弱めたり、避けることによって、無意識的に安
定した心理状態を保とうとする心の作用が発生
するとされています。

例えば、不快な気持ちや考えを、無意識の中に
押し込む「抑圧」や欲求不満を感じたときに、
本来の目標を、無意識のうちに別の目標に置き
換える「転移・代理」、自分の気持ちを直接意
識したりせずに、知的認識や論理的思考によっ
てコントロールする「分離、知性化」といった
心理的作用です。これらの防衛機能は誰にでも
普通に起こる正常な心理作用なんですが、常習
的に用いられている、つまり常時防衛機能を働
かせている環境や心理状態に置かれると、これ
らの正常な防衛機能が病的な不適応症状として
表面化されることがあるとされています。その
代表格が依存症における「否認」作用。
心理学
用語としての否認は「問題に対して、自分の中
にそれが存在することを認めない」というもの
ですが、依存症での否認、心理学的には不適応
症状としてカテゴライズされる否認というもの
には2つの種類があります。

まず「第1の否認」と呼ばれているものは「依
存している行為そのもの、言い換えると自分自
身が行っていたり置かれている現実や現状を、
なんらかの理由をつけて摩り替えて「自分は問
題がない」と 思ってしまうこと
を言います。
言い換えると「自分は大丈夫!」と思う、ある
いは思い込もうとする心理です。例えば『体を
悪くするほどお酒は飲んでいない。医者にも健
康体だと言われている。
(実際は、酒害を医師
に指摘されてから医者には行ってない)』とか
しっかり仕事をして自分の稼いだお金で飲ん
でいるので、誰にも文句を言われる筋合いはな
い。
(酒が原因で仕事先や家庭でのトラブルが
絶えない人の言)』や『昨晩は付き合いでたま
たま深酒してしまっただけ。自分の酒量は自分
でコントロールできる。自分はアル中ではない。
(酒酔いで何度も救急車を呼んだり、警察に世
話になっている人の言)』といった具合です。
これらはアルコール依存症患者の実際にあった
語録なんですが、自分がアルコールに依存して
いるという事実を認めることから必死に目をそ
らしているのが分かると思います。
依存症とい
う病気の中で、自分ではどうしようもない依存
の支配から逃れようとする自己との壮絶な葛藤
が心の中で繰り広げられているという事です。

そしてもう一つ「第2の否認」は「依存してい
る対象さえ止めてしまえば問題はない!という
考え」のことです。周囲との人間関係や家族、
社会との関係、金銭的な問題などでトラブルを
抱えたとき、『自分が(依存している対象や行
為)を止めさえすれば大丈夫!』と考える事で
す。以前にお話しした通り、いったんアルコー
ル依存症になると、元に戻ることは出来なくな
るんですが、第2の否認をする人は、依存とい
う病気を矮小化して「止めさえすれば全て解決」
と依存症そのものを否認しようとします。
例えば『酒さえやめれば問題はない。(実際は
止められないから問題が起こっているのに…)』
酒を止めさえすれば、自分も家族も問題ない。
(酒が原因ではなく、酒を止められない自分自
身が原因であることを認めない)』などです。
この第2の否認は『お酒さえ飲まなければいい
人なんです
(家族の言)』というように家族を
始め周囲の人がこの第2の否認をしてしまう場
合も珍しくないんですね。これらの否認という
行為、そもそもは心理学的に正常な自己防衛機
能であるがゆえに、依存症等が原因で病的な不
適応症状を呈してしまってもなかなか気づきに
くいとうところにこの問題の難しさがあります
し、依存症患者本人が「自分は否認という心理
状態に置かれている」ということに気付く、認
めるという事がなければ、治療への第一歩が踏
み出せないのも事実です。
というとことで今週はここまでとします。
次回も引き続きアルコール依存症患者の心理的
特性についてお話しをします。

暑い日が続いています。皆さま体調には
十分注意して、元気にお過ごしくださいね!
では、また来週お会いしましょう。
SEE YOU NEXT WEEK 

アーカイブ

月別 アーカイブ