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【自転車奔走記】「認知症を考えよう」#9。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・126回。

寒い日が続きますね…今年は風邪に加え
ノロウイルスによる感染症
も大流行の兆しとか。
保健所等の情報を参考に予防に努めて下さい。
ところで『たきびLIVE』が近付いてきました!
『たきびLIVE』とは、12月末頃にたきび松阪の
ご利用者様へ、音楽を
届ける恒例の音フェスです。
今年一年の皆様への感謝と、来年への気合を
演奏に注入すべく、
準備と練習に追われている毎日。
因みに、ワタクシの担当楽器は…

doram.JPG

じゃ~ん!ドラムなのでありやす!
皆様に楽しんで
頂けるよう頑張りますね!
請うご期待
・・・ん・・・ん?
「太鼓は得意でしょう!
 なんたってハラが太鼓そのものですからね。」
「良く鳴りそうですね!ヒロモリさんの腹」
久々に聞こえてきそうな本社スタッフの呟き…
でもそんなの気にしない!ドラムの前では
ワイルドな、たきびの〝嵐を呼ぶ男〟こと
ヒロモリの
【自転車奔走記】はじまりです!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
先週のお話しで「前頭側頭変性症」の
特徴的な病態として
【性格・人格の変容】、
【円滑なコミュニケートができない】、
【抑制がきかなくなる】等、円滑な社会生活に支障を
きたすような
症状が多いという話しをしました。
今週はさらに具体的なお話しを「ピック病」という
前頭葉や側頭葉
の変性を伴う疾患の代表的な
疾患を例に挙げてお話しを進めていきます。
最初にお断りしますが、ピック病=前頭側頭変性症
ではありません
のでご注意ください。

ピック病の病類上の位置づけのイメージとしては、
「ピック病は前頭葉や側頭葉に変性を伴う意味で
 前頭側頭変性症の
一種である。」
とお考え下さい。私が福祉業界に入った15年位前
は、
認知症の代表疾患として「アルツハイマー病、
脳血管障害、ピック病」
がよく取り上げられました。
その意味では、ある意味なじみがあるのですが、

現在は「前頭側頭変性(型認知)症」という病名

取り上げられることが殆どです。
では、早速歴史から見ていきましょう。

歴史
「ピック病」の発見は19世紀後半~20世紀前半で、
「ピック」とは脳細胞の中に現れる物質の名称です。
認知症症状を引き起こす病気の一つとして
取り上げられる機会の多い
病気でしたが、
現在は本編のテーマである「前頭側頭変性症」の
一種
として取り扱われる事も増えてきています。

特徴
ピック病の特徴として第一に「人格の変化」を
挙げる事ができます。
その変化も「ある日突然」と
いった表現が当てはまるくらいの
所謂、急変と
いった方が適当かもしれません。
ではどのような変化が出現するのか?というと、
例としてよく
取り上げられるのが万引きや
窃盗などの行為です。
驚かれる方も多いかも
しれませんが、「前頭葉」の持つ機能を考えれば
納得のいく面も多々あるんですね。
どういうことかといいますと、
前頭葉の持つ機能には
「実行機能」と「理性や情動を司る」機能が
ある
というお話しを以前しました。(先週連載参照)
例えば何か欲しいものを手に入れる際、
普通店に行き、
商品を選んで、欲しいものを購入するといった
手順
踏みますよね、「コレが欲しい!」といって
目についた
物を持ってくる事はしません。
何故かというと、欲しいものを手に入れる
際には、
①現在は貨幣経済社会。
②欲しいものは購入
するのが社会ルール。 
という現状認識・
手順を我々が知っているからです。
さらにこの手順に反すると
法律で何らかの処罰を
受けたり、売り手とトラブルに
なったりすると言う
行為に伴うリスクも勘定しています。
「欲しいものを手に入れる」という行為を実行する
際には、これらの
諸要素を考えて実行していて、
その事に深くかかわっているのが
先程お話しした
「前頭葉」の持つ実行機能なんです。
また「○○が欲しい!」という自身の欲求に対して、
自身が
どのような行動を取るのか選択する際には、
先程挙げた実行計画
の手順やそれに伴う諸々の
リスクを勘案して行動を決めています。
つまり、何らかの行為を選択する際にはヒトは
「理性的に判断して行動する」わけですね。
理性的と書きましたが、倫理的にどうこうと
言う意味ではなく、
行動実行に伴う様々な
要素や予測を考慮するということです。
これらの理性的判断をする際には、自身の欲求を
一時的にでも
抑えつける、情動を抑制する力が
必須になりますよね。いわば
自身の欲求さえも
客観視する能力なんです。それらの理性的判断や
情動を抑制する機能も前頭葉が担っているんです。
ところが、、
これらの機能を司る前頭葉が障害を
受けるとどうなるでしょうか?
「欲しい」という衝動を受けたとしても
「物を購入する」という行為
を実行する事自体を
考えられなくなる可能性があります。
また
「欲しい」けれど勝手に持って行くと
トラブルになるから止めておこう。
という
自身の衝動に対して理性的に情動を抑える機能も
障害
を受けていますので、所謂「思うまま」に
行動してしまう事になります。
結果、本人は
「自分の欲しいものを手に入れる行為をした」
だけなんですが、
万引きや窃盗などの
行為になってしまう訳です。
強調したい事は本人は決して「犯罪行為をなそう」
としている訳
ではないという事です。
前頭葉が変性(委縮)することによって、
自身の
行動や情動を理性的に、社会に適合するように
調整して行うことが
できなくなってしまうのが
この「ピック病」をはじめとした前頭側頭変性症

特徴的な症状なんです。
つまり「善悪」の社会的価値判断を行う事自体が
不可能に近い状態ですので、場合によっては
何度もそれらを
繰り返してしまう事もあります。
でも本人にとってみれば普通のこと
なんです。
(実際「窃盗常習犯」を詳しく診断すると、
 前頭側頭変性症が観察されたという報告もあります。)

一例として「万引き」という行為を取り上げましたが、
あくまでですので
その点はよくよくご了解下さい。

その他にも、、
・物事に対して無頓着になる
例えば自身の身なりや
周囲への配慮などに
一切気をかけなくなる
・我儘・勝手になる。
本能のおもむくままに行動してしまったり、
カッとなって手が出てしまう、他人に
注意されても悪気なく
あっけらかんとしているなど。
が、挙げられます。

◎病気の進行等
上記の症状は初期から観察されます。
進行すると言葉の意味が分からなく
なったり
発語・発話困難など言語障害の症状が現れたりし、
最終的に無言・無動へと進行してゆきます。

◎治療等
治療法も含め盛んに研究はされていますが、
効果的根本的な治療法
は未確立な状態で、
現に現れている症状に対する対処療法が主です。

以上、「ピック病」について話しを進めました。
ピック病=前頭側頭変性症
ではありませんので、
全ての前頭側頭変性症の方が上述のような
症状を
呈する訳ではありませんが、特徴的とされる
症状について
おおよそのイメージを掴んで
頂けましたでしょうか?
複数週に渡って【前頭側頭変性症】について
お話しをしてきましたが、
この章の最後に
もう一度繰り返しお話しすべき事は、
この病気は家族や社会の理解が無いと、
容易に「権利侵害」に
発展する病気なんです。
敢えて「権利侵害」という言葉を使い
ましたが、
病気が故の行為が「我儘」といった性格的な
理由に堕されて糾弾されたり阻害されたりする事や、
場合によっては刑法犯として拘留されてしまう事、
つまり
本人が病気によってもたらされた不利益を
周囲が増幅してご
本人に突き付けてしまう事が
容易に起こりかねない状況
を考えると、
「権利の侵害」としか呼びようが無いんですね。
認知症全てに言える事ではありますが、
とりわけ前頭側頭変性症
については
早期の適切な診断と周囲の理解」がなにより
大切
な事なんです。病気があろうと無かろうと、
誰もが
「尊厳を持った個人である」という、
近代社会を成り立たせている、
第一の原理を忘れないようにしましょうね。

それでは、今週はここらへんで…
来週は、認知症の症状と深く関係する
その他の病気についてお話しをします。
ではまた来週お会いしましょう!
See you next week 

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